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【臨各】30鍼灸国試解説【問88】

目次

まずは問題を解いてみよう

第30回 鍼灸国家試験 問題88

問題88

「55歳の女性。 2 か月前から背部の鈍痛が続いていたが放置していた。発熱はないが、食欲不振、体重減少、倦怠感がある。」行うべき検査で最も適切なのはどれか。

解説

この問題の意図

症例から病態把握を行い、その上で必要な検査法を選択できるかを問う問題

用語の解説

本来、前の問題である問87で病態把握をし、疾患名を確認してから解く問題ですので、そこから解きたいという人は問87を先に解きましょう〜!ここでは、問題文のポイントと検査法を確認しながら解いてみましょう!

〜問題文で読み解くポイント〜

・55 歳の女性

・2 か月前から鈍痛が続いていた→ 痛みが急性的に起こっていない

・背部に鈍痛がある

・発熱がない→ 炎症性疾患、感染症疾患である可能性が低い

・食欲不振、体重減少、倦怠感がある→ 悪性腫瘍のような重篤な疾患の可能性がある

⇨膵臓などの腹部臓器に悪性腫瘍が生じている可能性が高い!!!

腹部超音波検査

腹部皮膚表面に超音波を発進する装置を当てて、内臓からの反射波を装置が受けとり、電気信号に変えてモニターに写す。

使用例:腹部臓器(肝臓・膵臓・腎臓)の腫瘍、胆のうの胆石を調べるなど。

尿沈渣

尿を遠心分離することによって沈澱成分(赤血球・白血球・円柱など)を見る検査のこと。腎・泌尿器疾患が疑われる場合に行われることが多い。

使用例:尿路結石、尿路感染症、尿細管間質性腎炎など

血液像(白血球分画)

白血球数に異常を認めた際に、でリンパ球、単球、好酸球、好中球、好塩基球の5種類についてその割合を調べ、どの白血球が増減したかを調べる。

使用例:細菌感染症、寄生虫疾患、白血病、骨髄異形成症候群など

腹部エックス線検査

腹腔内における異常をX線により調べる検査。

使用例:腸閉塞、腸管穿孔、異常なガスや腹水、結石など

選択肢の解説

尿沈渣

背部の痛みは感じていますが、感染症や炎症を伴うような腎・泌尿器疾患を疑う記載がない。よって誤り。

血液像(白血球分画)

白血球分画は、白血球数に異常が見られる場合に必要となる検査だが、問題文から感染症や炎症症状がみられない。よって誤り。

腹部エックス線検査

腹部エックス線検査は腸閉塞、腸管穿孔、尿管結石などの急性腹痛を生じる疾患に対して行うことが多い。症例は、”2ヶ月前” から鈍い痛みを感じており、上記の疾患などの原因は考えにくいので誤り。

腹部超音波検査

腹部超音波検査は、腹部臓器の腫瘍を調べるのに用いる。腹部臓器の悪性腫瘍である可能性が高い問題文の症例を調べるのに適していると考えられるので、これが正解。

これらより導き出される解答

上記より答えは「腹部超音波検査

まとめ

今回は症例についての病態把握を行うだけでなく、”それぞれの検査法が何を見るための検査なのか”ということを知っている上で、適した検査法を選択する問題でした。

ちなみに私は、超音波とエックス線検査を行うべき疾患の違いを理解していなくて、学生時代は勘に頼って回答していました…。検査法を理解するのに重点を置きすぎるのはあまりお勧めしませんが、「こんな検査なんだ〜」という程度でみなさんが記事で確認できれば幸いです。

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