目次
まずは問題を解いてみよう
解説
この問題の意図
片麻痺の病態、相反性Ia抑制を理解しているか。さらに、経穴の位置を把握しているか。
用語の解説
問題文でポイントとなる用語を確認していきましょう。
マン・ウェルニッケ肢位とは
筋に痙性麻痺が生じたことで起こる特徴的な姿勢のこと。脳卒中後に生じやすい姿勢である。
〜マン・ウェルニッケ肢位の上肢〜
肩関節:内転、内旋
肘関節:屈曲
手関節:掌屈
手指:屈曲
相反性Ⅰa抑制
脊髄反射の一つ。ある筋群が収縮する際に、筋からの求心性線維であるⅠa線維が活動し、拮抗筋へのAα運動ニューロンを抑制することで生じる。つまりは、主動作筋が収縮する際に、拮抗筋を弛緩させる反射。
(例)上腕二頭筋が収縮する際に、上腕三頭筋は弛緩する。
選択肢の解説
まずは、情報を整理してから選択肢を見てみます。
・相反性Ⅰa抑制を利用して、上肢の痙性(上肢屈筋群の興奮性↑↑)を改善したい
・低周波鍼通電療法を行うことで、筋を収縮させることができる
→低周波鍼通電療法で、上肢の伸筋を収縮させることで、上肢の屈筋が弛緩し(相反性Ⅰa抑制)、痙性改善が望める!
と、いうことで、「上肢伸筋上に存在する経穴」が答えになります!
曲 沢 ––– 内 関
上肢屈筋に存在する経穴なので誤り。
承 筋 ––– 承 山
下肢屈筋(腓腹筋)に存在する経穴なので誤り。
豊 隆 ––– 足三里
下肢伸筋(前脛骨筋上)に存在する経穴なので誤り。
消濼 ––– 外 関
上肢伸筋に存在する経穴なのでこれが正解。この経穴に鍼通電をすることで、上肢伸筋が収縮し、拮抗筋となる上肢屈筋は弛緩することが予測できる。
これらより導き出される解答
上記より答えは「消濼 ––– 外 関」
まとめ
問題文を見ただけで、解くのに拒否反応が起こりそうな人がいたのではないでしょうか?この問題は各論、生理学、経穴の基礎知識を基に考えると、解けてしまうような問題でもあります。一つずつの科目の基礎をしっかりと理解し、練習問題としてこのような国試の過去問を解いてみるのをオススメします。
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