まずは問題を解いてみよう
解説
この問題の意図
腎不全の原因による3つの分類を理解しているか
腎不全の原因分類
腎不全とは、糸球体濾過量の低下を中心とした腎機能障害がある状態です。
原因により腎前性(循環の問題)・腎性(腎臓そのものの問題)・腎後性(尿路の問題)に分類されます。
腎実質は正常であるが、腎血流量が低下することにより生じる腎不全。
〜原因〜
(循環血液量・細胞外液量の減少)出血・下痢・嘔吐・熱傷 など
(心拍出量の低下)心筋梗塞・心不全 など
腎実質の障害による腎不全。
〜原因〜
(尿細管間質の障害)急性尿細管壊死 など
(糸球体の障害)急性進行性腎炎症候群 など
(血行の障害)播種性血管内凝固 など
尿路の通過障害により尿がうっ滞することで生じる腎不全。
〜原因〜
(両側尿管の閉塞)後腹膜線維症・骨盤腔内悪性腫瘍 など
(膀胱・尿道の閉塞)前立腺肥大症・前立腺癌 など
選択肢の解説
前立腺に生じる上皮性悪性腫瘍。前立腺から周囲にある尿管へ浸潤し、これが尿路の圧迫することで腎後性腎不全の原因になると考えられる。よって誤り。
後腹膜領域に腫瘍が発生し、腹部の臓器を圧迫する病態。この腫瘍が尿路を圧迫することで腎後性腎不全の原因になると考えられる。よって誤り。
腎糸球体に急速かつ激烈な炎症が生じる病態。腎臓自体に問題があるため、これは腎性腎不全の原因として考えられる。よって誤り。
出血により、臓器に十分な血液が運ばれなくなる病態。腎臓への血液量も低下することから、腎前性腎不全の原因になると考えられる。よってこれが正解。
これらより導き出される解答
上記より答えは「出血性ショック」
まとめ
腎不全の原因の3分類は、「腎臓への血流量が問題」「腎臓自体の問題」「腎臓より下部にある尿路の問題」です!
3分類の原因疾患を丸暗記するのではなく、”なぜ腎不全が生じるのか” という原因をしっかり理解して解ければ、完璧ですね。
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