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【東洋】30回鍼灸国試解説【問152】

目次

まずは問題を解いてみよう

第30回 鍼灸国家試験 問題152

問題152

「25 歳の男性。 3 か月前から膨満感を伴う上腹部痛、嘔気が続く。症状はストレスで増悪、噯気で軽快する。下痢はない。舌は薄黄苔、脈は弦を認める。」上腹部痛の性質として最も適切なのはどれか。

解説

この問題の意図

痛みの性質を理解しているか

用語の解説

1. 痛みの性質について

名称痛みの性質見られる病証
脹痛張った感じ、膨満感を伴う痛み気滞
刺痛錐で刺したような痛み血瘀
酸痛だるい痛み虚証、湿証
重痛重く感じられる痛み湿証
冷痛冷えを伴う痛み寒証
灼痛灼熱感を伴う痛み熱証
絞痛絞扼痛寒証、血瘀
隠痛我慢できる持続性の鈍痛虚証
掣痛引っ張られる痛み肝の病証
空痛疼痛部位に空虚感を伴うもの気血精髄の不足

2. 問題文から病証を特定するためのポイント

「25 歳の男性。 3 か月前から膨満感を伴う上腹部痛、嘔気が続く。症状はストレスで増悪噯気( げっぷ )で軽快する。下痢はない。舌は薄黄苔、脈は弦を認める。」

→ストレスによる鬱々とした状態から肝鬱気滞を引き起こし、それが上腹部で膨満感を伴う痛み・嘔気を引き起こしている。

  噯気により気を口から吐き出すことで軽快することからも、気滞が生じている可能性が高い。

  舌苔の様子から、少し熱を生じている。(肝鬱気滞が悪化すると肝火上炎になりやすく、熱を生じる)

  脈は、肝の病証で特に肝鬱気滞でよく見られる脈。

選択肢の解説

酸 痛

虚証や湿証で出てくる痛み。

上腹部痛や嘔気は湿証による可能性もあるが、その他の記載で湿証に当てはまる記述が見られない。また、体内で気血津液が少なくなるような虚証による症状も見られない。よって、誤り。

重 痛

湿証で出てくる痛み。

問題の症例では、膨満感を伴う上腹部痛や嘔気から湿証による可能性が考えられるが、増悪因子・軽快因子で湿証に当てはまる記述や便の異常がみられないので、誤り。

隠 痛

虚証で出てくる痛み。

また、体内で気血津液が少なくなるような虚証による症状が見られない。よって、誤り。

脹 痛

気滞による痛み。

用語の解説(2.問題文から病証を特定するためのポイント)にあるように、症状から気滞が生じている可能性が高い

また、「膨満感を伴う痛み」との記載から脹痛の痛みの性質とも当てはまる。よって、これが正解。

これらより導き出される解答

上記より答えは「脹 痛

まとめ

あんまり簡単に考えすぎるとミスをしてしまうので積極的におすすめはできませんが、ストレスからくる気滞の症状は肝鬱によるものが多いです。肝鬱に強い熱症状が生じている場合は、肝鬱気滞が悪化して肝火上炎となっている可能性があるので、舌や汗などの熱症状を確認しておきましょう!

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