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【臨各】30回鍼灸国試解説【問153】

目次

まずは問題を解いてみよう

第30回 鍼灸国家試験 問題153

問題153

「26 歳の女性。なで肩で痩せている。主訴は右上肢全体の持続的なだるさ。反射は正常、スパーリングテスト、エデンテスト、ライトテストは陰性、アドソンテストは陽性。」進行した際の症状として最も適切なのはどれか。

解説

この問題の意図

検査法から疾患を読み取れるか

症例の疾患を特定するポイント

お気づきの方もいるかと思いますが、この症例は「胸郭出口症候群」である可能性が高いです。なぜ、胸郭出口症候群であると推測できるのか、問題文と胸郭出口症候群の病態について見比べてみましょう〜。

胸郭出口症候群とは

胸郭出口部 (①斜角筋隙 ②肋鎖間隙 ③小胸筋下) において、腕神経叢や鎖骨下動脈が牽引または圧迫されることで上肢の感覚障害や運動麻痺をきたす疾患。

好発:なで肩の20代女性(牽引型)、筋肉質の30代男性(圧迫型)

症状:上肢の痺れ、だるさ、肩こり、握力低下など

誘発テスト:モーリーテスト、アドソンテスト、ライトテスト、エデンテストで陽性となる

今回は症状が上肢のだるさだけで、握力の低下などの筋肉の異常がみられないスパーリングテスト(頚椎症で陽性となる)陰性アドソンテストが陽性であるというところがポイントです!

選択肢の解説

筋トーヌス亢進

筋トーヌスの亢進は錐体路や錐体外路の障害で生じ、これらの状態では腱反射は亢進となる。

→よって、症例にある胸郭出口症候群の状態と合わないので、誤り。

筋線維束性れん縮

筋線維束性れん縮:小さく、局所的に筋肉が不随意に収縮・弛緩を繰り返す運動で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの運動ニューロン疾患が原因で生じることがある。

→今回の問題にある症状からみて、運動ニューロン障害は考えにくいので、誤り。

手指巧緻運動障害

手指巧緻運動障害:手指における細かく精密な動作(ボタンを留める、箸を使うなど)ができなくなることで、運動麻痺などにより障害される。疾患としては、頚椎症性脊髄症や胸郭出口症候群などでも生じるとされている。

→しかし…

スパーリングテストで陰性である→頚椎症である可能性は低い

胸郭出口症候群でも運動麻痺の症状がみられない

 ことから、このような症状が生じるとは考えにくい。よって、誤り。

レイノー現象

レイノー現象:血管収縮による血流障害で数分から数時間にわたり指が青白くなったり、しびれやちくちくとした感覚を生じる。

→これは、胸郭出口症候群で現れる代表的な症状の一つで、アドソンテストで脈の消失が確認されている点を考えると、胸郭出口部で血管が圧迫された結果、今後生じやすい症状であると考えられる。よって、これが正解。

これらより導き出される解答

上記より答えは「レイノー現象

まとめ

いかがでしたか?このような問題は、「どのような疾患でどの検査が陽性になるのか」ということを抑えておくだけでも、問題が解きやすくなると思います。検査は、症状がより誘発される動作をおこなっています。なぜその動作で症状が誘発されるのかということまで理解できれば、さらに点数アップにつながりますので、頑張りましょう!

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