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【臨総】30回鍼灸国試解説【問86】

目次

まずは問題を解いてみよう

第30回 鍼灸国家試験 問題86

問題86

「70 歳の男性。車を停車中に左上肢を伸ばし後部座席の物を取ったところ、肩峰部 に激痛を感じた。肩関節部を他動的に外転させても、自力で外転位を保持できない。」診断確定のための検査で最も適切なのはどれか。

解説

この問題の意図

それぞれの検査法について理解しているか

検査法について

まず、選択肢の検査法を確認してみましょう!絵心が悲惨すぎて申し訳ないですが、お付き合いくださいませ…。

単純X線検査とは

X線の透過性を利用した検査で、一定量の被曝がある。

骨・関節疾患が疑われる場合の画像検査として最も基本的で、単純X線像は平面的なものとなる。

CTとは

被検者の周囲からX線の回転照射を行い、そのデータをコンピュータ処理することで断層像を得る方法。単純X線よりも被曝量が多い。

三次元的な骨の形態変化(骨折、骨腫瘍など)や石灰化の描出に有用である。

MRIとは

強力な磁場と電磁波を用いて体内のプロトン(水素原子核)の分布・運動状態を解析し、断層像を得る方法。

放射線被曝はないが、体内に磁性金属や電子機器のある患者には使用できない。

軟部組織(血管・筋・末梢神経組織など)の描出に優れる。

筋電図検査とは

筋線維に発生した活動電位を導出・記録したもので、筋・神経の異常の有無を評価する。

針筋電図:筋内に電極付きの針を刺入し、筋膜や神経末端の異常興奮や、運動単位の機能を評価する。

→脱力、筋力低下、筋萎縮などで用いる

表面筋電図:筋腹に表面電極を貼付し、皮膚の上から活動電位を導出する。

→不随意運動などで用いる

〜問題文の症状を考えてみよう〜

問題文には「肩関節部を他動的に外転させても、自力で外転位を保持できない」とあり、ドロップアームテストの陽性所見と一致する。

※ドロップアームテストは、腱板損傷や腱板断裂の時に陽性となる。

選択肢の解説

エックス線検査

腱板ではなく、骨や関節疾患を見るときによく使用されるので間違い

CT 検査

腱板ではなく、骨折や骨腫瘍などの三次元的な骨の形態変化や石灰化を見るときに使用されるので間違い

筋電図検査

筋線維に発生した活動電位から神経や筋の収縮の異常を見る検査。腱板損傷の様子を確認するのには適していないので間違い

MRI 検査

筋肉の様子だけでなく、軟骨や骨などの様子を見ることが可能であり、腱板損傷の様子を確認するのに適している。よってこれが正解

これらより導き出される解答

上記より答えは「MRI 検査

まとめ

いかがでしたか?検査方法や、どの組織を見るのに適しているかなど、X線、CT、MRIの違いがわからない!と感じた人は多かったのではないでしょうか?今回、この残念なイラストにより、それぞれの検査の特徴がイメージしやすくなっていれば幸いです…!!

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