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【東臨】30回鍼灸国試解説【問129】

目次

まずは問題を解いてみよう

第30回 鍼灸国家試験 問題129

問題129

次の文で示す症例の障害神経根の部位で最も適切なのはどれか。「55 歳の男性。頸部の神経根症状により左肩関節外転筋力低下、左上腕二頭筋反射減弱、左上腕外側の知覚鈍麻がみられる。」

解説

この問題の意図

理学検査の内容から障害部位の神経を特定できるか

用語の解説

反射とは、刺激によって引き起こされる不随意の筋収縮のことです。上位運動ニューロンの障害で亢進、反射弓の障害で減弱・消失します。今回は上腕二頭筋反射のみですが、他の反射も復習しておきましょう!

反射求心路中枢遠心路効果器
下顎反射下顎神経脳幹・橋下顎神経咬筋
上腕二頭筋反射筋皮神経頸髄・C5筋皮神経上腕二頭筋
上腕三頭筋反射橈骨神経頸髄・C7橈骨神経上腕三頭筋
橈骨反射橈骨神経頸髄・C6橈骨神経腕橈骨筋
膝蓋腱反射大腿神経腰髄・L2, L3, L4大腿神経大腿四頭筋
アキレス腱反射脛骨神経腰仙髄・L5, S1, S2脛骨神経下腿三頭筋
腱反射の反射弓について
問題文を解く前に確認するポイント

頚椎は7ですが、頸神経は第1頚椎の上から始まっていますので、全部で8です。忘れないように覚えておきましょう!

選択肢の解説

C3 ‒ C4間

C3/C4間には第4頚神経が通り、障害された場合にはデルマトームでは鎖骨部の知覚異常などが見られる。筋では肩甲挙筋や僧帽筋、横隔膜に該当するので呼吸や肩甲骨挙上動作に異常が見られる。

よって問題文にある症状と当てはまらないので、誤り。

C6 ‒ C7間

C6/C7間には第7頸神経が通り、障害された場合には上腕三頭筋腱反射の減弱、中指の知覚異常などが見られる。動作では、肘関節伸展・手関節屈曲・指の伸展などに異常が見られる。

よって問題文にある症状と当てはまらないので、誤り。

C7 ‒ Th1間

C7/Th1間には第8頸神経が通り、障害された場合には小指側の知覚異常などが見られる。動作では指の屈曲や巧緻運動に異常が見られる。

よって問題文にある症状と当てはまらないので、誤り。

C4 ‒ C5 間

C4/C5間には第5頸神経が通り、障害された場合には上腕二頭筋腱反射の減弱上腕外側の知覚異常が見られる。動作では肩関節外転・屈曲、肘関節屈曲・回外などの異常が見られる。

よって問題文にある症状に当てはまるので、これが正解。

これらより導き出される解答

上記より答えは「C4 ‒ C5 間

まとめ

今回の問題は筋力低下や知覚鈍麻などの症状が出ていましたが、腱反射の中枢を知っていればすぐに解ける問題でした。腱反射は国試問題を解くだけではなく、実際の臨床で理学検査を行い、異常を確かめる際にも重要となりますのでしっかり覚えておきましょう!

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