まずは問題を解いてみよう
解説
この問題の意図
理学検査の内容から障害部位の神経を特定できるか
用語の解説
反射とは、刺激によって引き起こされる不随意の筋収縮のことです。上位運動ニューロンの障害で亢進、反射弓の障害で減弱・消失します。今回は上腕二頭筋反射のみですが、他の反射も復習しておきましょう!
反射 | 求心路 | 中枢 | 遠心路 | 効果器 |
下顎反射 | 下顎神経 | 脳幹・橋 | 下顎神経 | 咬筋 |
上腕二頭筋反射 | 筋皮神経 | 頸髄・C5 | 筋皮神経 | 上腕二頭筋 |
上腕三頭筋反射 | 橈骨神経 | 頸髄・C7 | 橈骨神経 | 上腕三頭筋 |
橈骨反射 | 橈骨神経 | 頸髄・C6 | 橈骨神経 | 腕橈骨筋 |
膝蓋腱反射 | 大腿神経 | 腰髄・L2, L3, L4 | 大腿神経 | 大腿四頭筋 |
アキレス腱反射 | 脛骨神経 | 腰仙髄・L5, S1, S2 | 脛骨神経 | 下腿三頭筋 |
※頚椎は7個ですが、頸神経は第1頚椎の上から始まっていますので、全部で8つです。忘れないように覚えておきましょう!
選択肢の解説
C3/C4間には第4頚神経が通り、障害された場合にはデルマトームでは鎖骨部の知覚異常などが見られる。筋では肩甲挙筋や僧帽筋、横隔膜に該当するので呼吸や肩甲骨挙上動作に異常が見られる。
よって問題文にある症状と当てはまらないので、誤り。
C6/C7間には第7頸神経が通り、障害された場合には上腕三頭筋腱反射の減弱、中指の知覚異常などが見られる。動作では、肘関節伸展・手関節屈曲・指の伸展などに異常が見られる。
よって問題文にある症状と当てはまらないので、誤り。
C7/Th1間には第8頸神経が通り、障害された場合には小指側の知覚異常などが見られる。動作では指の屈曲や巧緻運動に異常が見られる。
よって問題文にある症状と当てはまらないので、誤り。
C4/C5間には第5頸神経が通り、障害された場合には上腕二頭筋腱反射の減弱、上腕外側の知覚異常が見られる。動作では肩関節外転・屈曲、肘関節屈曲・回外などの異常が見られる。
よって問題文にある症状に当てはまるので、これが正解。
これらより導き出される解答
上記より答えは「C4 ‒ C5 間」
まとめ
今回の問題は筋力低下や知覚鈍麻などの症状が出ていましたが、腱反射の中枢を知っていればすぐに解ける問題でした。腱反射は国試問題を解くだけではなく、実際の臨床で理学検査を行い、異常を確かめる際にも重要となりますのでしっかり覚えておきましょう!
その他
試験演習
Adsense
おすすめ記事
SNS
公式LINE
コメント