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【東臨】30 回鍼灸国試解説【問155】

目次

まずは問題を解いてみよう

第30回 鍼灸国家試験 問題155

問題155

次の文で示す症例について、問いに答えよ。「32 歳の女性。主訴は月経時の下腹部および腰の痛み。主訴の部位と手足の冷えを伴い、温めると改善する。月経血は暗紫色で血塊が混じる。婦人科では機能性月経困難症と診断された。」最もみられる脈状はどれか。

解説

この問題の意図

問題文から脈状を考える問題

問題文の解説

まずは問題文を読み、「虚実」と「寒熱」を考えましょう。また、どのような証であるか考えましょう。

32 歳の女性。主訴は月経時の下腹部および腰の痛み。

痛みが起こる原因が月経であることがわかりますね。

主訴の部位と手足の冷えを伴い、温めると改善する。

上記の痛みの出現とともに冷えの症状があるようです。「寒熱」でいえば「」なのでしょう

月経血は暗紫色で血塊が混じる。婦人科では機能性月経困難症と診断された。

月経血は固まるようですね。血瘀の要素がありますね。

以上のことから「虚実」ではどちらかはっきりしませんが、「寒熱」でいえば「寒」でしょう。さらに証でいえば血瘀である可能性が高いですね。

選択肢の解説

浮 緊

浮脈は軽く触れて得られるが強く触れると減弱する脈とされており、表証の際にみられます。

緊脈は弦・数で有力な脈であり脈が左右に揺れて一定しないとされており、寒邪や激しい疼痛でみられます。

寒証の要素はありますが、血瘀の要素はないですね。はっきりと除外できるとは言い切れませんがほかの選択肢を見て判断できる選択肢かと思います。

滑 数

滑脈はお盆に珠を転がしたような脈とされており、痰飲 食滞 湿 妊婦さんなどでみられます。

数脈は1呼吸で6拍以上の脈とされており、熱証の際にみられます。

この脈状は湿熱の症例でしょうかね。今回は当てはまりませんね。

細無力

細脈は糸のように細いがしっかりと触れる脈とされ、血虚や陰虚の際にみられます。

陰虚ということは相対的な熱症ですね。本症例は温めることによって症状改善が起きていますので違いますね。

遅 濇

遅脈は1呼吸で3拍以下の脈で、寒証の際にみられます。

濇脈はざらざらとした、渋滞したような脈とされ、血瘀、血虚の際にみられます。

寒証の脈と血瘀の脈両方に当てはまる脈状ですね。これがBestな選択肢でしょう。

これらより導き出される解答

上記より答えは「遅 濇

まとめ

今回は問題文から脈状を考える単純な問題でしたね。選択肢の中に寒証の脈が2つありましたが、このような際は惑わされず、冷静に選択肢を全体的に見て、よりbetterな選択肢を選ぶようにしましょう。

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