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【東臨】30回鍼灸国試解説【問133】

目次

まずは問題を解いてみよう

第30回 鍼灸国家試験 問題133

問題133

末梢性顔面神経麻痺で過誤再生による後遺症はどれか。

解説

この問題の意図

抹消性顔面神経麻痺の後遺症について理解しているか

顔面神経麻痺について

何らかの原因で顔面神経が障害された病態の総称。抹消性では、ベル麻痺、ラムゼイハント症候群の頻度が高い。

症状:閉眼ができない(兎眼)、額のしわ寄せができない、味覚低下、聴覚過敏、涙腺・唾液腺の分泌低下 など

抹消性顔面神経麻痺

○ベル麻痺:単純ヘルペルウイルス1型の再活性化による神経炎が主な病因であるとされる。

○ラムゼイハント症候群:膝神経節に潜伏感染していた水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化による神経炎が病因であるとされ、顔面神経に隣接する内耳神経へも炎症が波及しやすく、後遺症をきたしやすい。

選択肢の解説

兎 眼

兎眼:閉眼ができないことで眼球が乾燥し、目がウサギのように赤くなる症状。

顔面神経は眼を閉じる筋である眼輪筋を支配しており、これが障害されると兎眼が生じる。しかし、これは顔面神経の過誤再生による症状ではないので誤り。

味覚脱失

顔面神経は、舌の前2/3の味覚を支配しており、これが障害されることで味覚脱失が起こる。しかし、これは過誤再生による症状ではないので誤り。

聴覚過敏

顔面神経は、アブミ骨筋を支配している。

アブミ骨につながるアブミ骨筋は、大きな騒音に反応して収縮し、耳小骨の動きを抑え、音を伝わりにくくする(繊細な内耳を音による損傷から保護するため)。

よって、顔面神経の損傷では聴覚が過敏となってしまうが、これは過誤再生による症状ではないので誤り。

ワニの涙

ワニの涙:食事をすると涙が出てくる症状をいう。

ワニの涙は抹消性顔面神経麻痺の回復期に生じることがある。

これは損傷を受けた末梢神経が、神経を再生する際に唾液腺への線維が誤って涙腺と連絡したためであるとされている。よって、これは抹消性顔面神経麻痺の過誤再生による後遺症であるといえるので、これが正解。

これらより導き出される解答

上記より答えは「ワニの涙

まとめ

今回は選択肢がどれも顔面神経が損傷した際に生じる症状であったので、一瞬戸惑ってしまった方もいたのではないでしょうか?「過誤再生による後遺症」というワードをしっかり見て考えれば解ける問題だと思いますので、落ち着いて問題文を読んでいきましょう!

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