まずは問題を解いてみよう
解説
この問題の意図
症例から病態を把握する能力があるか問われた問題
問題文の解説
まずは問題文を分けて見ていきましょう。
まず、中高年の女性であることを把握しましょう。年齢や性別は疾患によっては偏ることがありますしね。
2か月前から続いていることから急性ではないのと、放置していたのでしょうから程度が我慢できない痛みではないのでしょう。
発熱がないことから炎症性疾患や感染症の可能性は低いのでしょう。
しかし、食欲不振や体重減少、倦怠感があるのは怖いですね。
問題文を見るに痛みが強く起こる疾患や炎症性疾患、感染症疾患である可能性は低いでしょう。しかし、2か月で体重減少が起こっていることや、食欲不振、倦怠感が併発しているのは重篤な疾患の可能性があることを注意することが必要がありますね。その点を踏まえて選択肢を見ていきましょう。
選択肢の解説
20~50代に多く、男女比=2~3 : 1で男性に多い疾患です。症状としては、腰背部から下腹部にかけて激痛があり、血尿が起こります。
我慢できるような痛みではないので尿路結石は回答から除外できますね。
若年女性や小児男児、高齢男性に多い疾患です。症状としては、38℃以上の発熱があり、腰痛やCVA領域における叩打痛があります。また、原因は大腸菌などの菌が膀胱から逆行性に腎臓に感染することで起こります。
細菌感染症であり発熱が起こる点、腰痛や叩打痛が生じるので回答から除外できますね。
30~40代の女性に発症する子宮を構成している平滑筋に生じた良性腫瘍です。女性ホルモンの作用により大きくなるので、閉経後では筋腫が小さくなります。症状としては過多月経が起き、それに伴い動悸や息切れ、めまいなどの貧血症状をきたします。
今回は年齢的に当てはまらない場合が多いですね。また、閉経後であれば症状が改善していくような気もします。
2021年の部位別予測がん死亡率では男性で4位、女性で3位となっています。
膵頭部癌の場合、比較的早期に閉塞性黄疸の症状が現れますが、その他の部位では無症状のまま進行する場合が多く、症状があるとすれば、食欲不振や悪心嘔吐などの不定愁訴や軽微な上腹部痛や背部痛を起こします。しかし、あまりにも軽微であるためにそのまま放置されてしまうことが少なくないようです。
今回の症例では選択肢の中で膵臓癌が最も可能性があるように思えますね。
これらより導き出される解答
上記より答えは「膵臓癌」
まとめ
今回は症例から病態把握をするような問題でした。疾患についての理解と症例を読み解く力が必要ですね。
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