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【東臨】30回鍼灸国試解説【問148】

目次

まずは問題を解いてみよう

第30回 鍼灸国家試験 問題148

問題148

次の文で示す病証で最も適切なのはどれか。「58 歳の女性。昨夜から陰部掻痒感を自覚。最近イライラすることが多く、飲酒量が増えた。舌辺に黄厚膩苔、脈は左関上の浮数滑を認める。」

解説

この問題の意図

病証を特定するための “キーワード” を問題文から読み取れるか

問題文における”キーワード”

まず、解くにあたって今回の問題文で特にチェックしておきたいキーワードを確認してみましょう!

「58 歳の女性。昨夜から陰部掻痒感を自覚。最近イライラすることが多く、飲酒量が増えた。舌辺に黄厚膩苔脈は左関上の浮数滑を認める。」

陰部掻痒感

陰部に関係する流注を持つのは、大腿内側から陰毛を通り生殖器をめぐる「厥陰肝経」である。

また掻痒感は熱が生じている時に現れることがある。

イライラする

特にストレスやイライラといった情志の失調は、「肝」に関係することが多い。

気分が沈み、塞ぎ込んでしまうような症状にも肝が影響するが、溜め込んだものが溢れ出てしまうと熱化して熱っぽい症状がでることもある。

舌辺に黄厚膩苔

舌診において、

 「舌辺」は肝・胆の様子を表す

 「黄厚膩苔:舌の上に黄色く(熱)、厚い苔(多湿)が付いている」

 →肝・胆に湿熱が生じている

脈は左関上の浮数滑

「左関上:肝の状態を表す」

「浮脈:邪が表にある時、熱がある時などに浮いて感じる脈」

「数脈:熱がある時、打つ数が多い脈」

「滑脈:痰飲、食滞など体内に湿が多い時に出るコロンと打つような脈」

→肝に湿熱が生じている

選択肢の解説

胃陰虚

胃に関係する症状、部分的な熱症状や盗汗などの陰虚に関する記載は問題文から見られない。よって誤り。

胃 熱

熱症状は問題文にはあるが、胃を示す記載は舌診や脈診から見られない。よって誤り。

肝陽上亢

肝陽上亢は、肝陰虚という虚証からより陽が強くなった状態。

「肝」「熱」というイメージでは当てはまりそうだが、実証である湿を表す問題文の記載には当てはまらない。よって誤り。

肝経湿熱

肝経に湿熱が生じている状態。

問題文の記載に最も当てはまるので、これが正解。

これらより導き出される解答

上記より答えは「肝経湿熱

まとめ

臓腑の働き、舌診、脈診の知識がある人は”キーワード”を抜き出すことができれば、簡単に解けてしまう問題でした。

中でも脈診は、様々な脈状が出てきて覚えるのが大変ですよね…。

教科書に記載してあるような脈状の一覧表を見ながら、このような症例を解くことで知識がつなげやすくなってくると思います。解けなかった要因をそのままにせず、教科書で確認してみましょう〜!

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