目次
まずは問題を解いてみよう
解説
この問題の意図
言葉の意味と理学検査を理解しているか問われた問題
用語の解説
詐病とは
詐病とは病を偽っていることです。似たような言葉に仮病がありますが、仮病との違いは、詐病の場合、病を偽ることで何らかの利益を得ようとしている際によく用いられています。
選択肢の解説
ケンプ徴候
ケンプ徴候は腰を後側屈した際に足にしびれや痛みが誘発されるかを確認する検査であり、脊柱管狭窄症で陽性となります。この場合、陽性所見は患者自身の主観的な判断になりますので詐病の区別はつけませんね。
ブラガードテスト
ブラガードテストはSLRテストの増強法でもある椎間板ヘルニアの鑑別に用いられる理学検査です。陽性所見はしびれや痛みの誘発となっていることから、患者自身の主観的な判断になりますので詐病の区別はつけませんね。
サギング徴候
サギング徴候とは、仰向けの状態で膝90度屈曲した際に、後十字靭帯が損傷している場合、健側と比べて脛骨近位端が陥凹し後方に移動することを確認する理学検査です。
患者の主観的な判断は影響しませんが、腰痛の検査ではないので回答として適してはいないでしょう。
フリップ徴候
問題文でも記載されているように坐位で膝を他動的に伸展させる検査です。陽性所見は痛みが発生することによって体幹を後方にのけぞらせる行動が起こることとされています。
実際に痛みがなければ陽性所見は見られないでしょうから詐病の区別に使えるのかもしれませんね。
これらより導き出される解答
上記より答えは「フリップ徴候」
まとめ
今回は詐病の区別に理学検査を用いる場合、どの検査を用いるかわかっていれば解ける問題でした。しかし、実際には疾患の程度の問題もありますし、フリップ徴候で陽性所見がなかったからといって、100%詐病だと判断するのは問題があるように感じます。今回は国家試験問題なので問題を解くための解釈として理解する必要があるかと思います。
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