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【東臨】29回鍼灸国試解説【問143】

目次

まずは問題を解いてみよう。

第29回 鍼灸国家試験 問題143

問題143

次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。
「36歳の女性。主訴は咳嗽。せき込むと粘稠で白色の痰を多量に喀出する。緩解と増悪を繰り返しながら3年が経過している。子どもの頃から食が細く、痩せている。舌は淡、白膩苔、脈は滑を認める。」

解説

この問題の意図

東洋医学色が強い臨床問題

問題文の解説

まずは、問題文を読んで「虚実」と「寒熱」を明確にしておきましょう。

咳嗽や食が細いという点から虚の印象がありますが、舌が「白膩苔」であることや脈が「滑」ということから余分な水が多い状態、つまり「実より」な印象があります。また、「寒熱」でいうと、完全な寒という感じはないですが熱っぽさが皆無ですので「寒より」な印象ですね。

選択肢の解説

風寒の邪を取り除く。

脊髄の今回の症例では確かに「寒より」なのかなと思いますが、思いっきり”寒邪”とは言えませんね。
気温により増悪であったり冷えの症状などの記載があれば解答になりえたかもしれませんね。

瘀血を取り除く。

今回の症例では、余分な水が多いような状態ですので”瘀血”となってもおかしくありませんが舌は「淡」ですし、脈は「滑」なので瘀血ではなさそうですね。
舌が「紫」であったり、脈が「濇」であれば解答になりえたかもしれません。

肺陰を補う。

今回の症例は、余分な水分が多い状態なので陰を補うというのは論外な選択肢ですね。

運化を高める。

今回の症例は、問題文を読むに”余分な水分が多い状態”と考えられます。
ですので、水分代謝に重要な機能である運化作用を高めることが治療として適切という判断は妥当だと思います。

これらより導き出される解答

上記より答えは「運化を高める。

まとめ

今回の症例は東洋医学的な思考のみの問題でしたね。問題文を落ち着いて読めばあっさりと解ける問題かと思います。

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