まずは問題を解いてみよう
解説
この問題の意図
文章の理解と東洋医学的思考が備わっているか問われた問題
文章の解説
「32 歳の女性。主訴は眼精疲労。最近、月経血の量が少なく色も薄くなった。緊張すると手がふるえ、夜中にこむら返りが起こりやすい。舌は淡白、脈は濇を認める。」
まずは文章から「虚」か「実」と「寒」か「熱」かを判断しましょう。”月経血の量が少ない” ”舌は淡白” という表現から虚実では「虚」でしょう。また、寒熱の表現はあまり明確にされていませんが、”舌は淡白” という点から「寒」の要素はあるかもですね。はっきりと「寒」とは言えない程度ではあります。
血が少ない場合に起きる症状ですね。血虚なのでしょうか。
これは筋が原因の症状でしょうか。筋は肝との関係が深く、肝は血との関係が深いですね。血虚によって生じている症状と考えられるでしょう。
舌淡白は血の巡りが悪いような感じですね。
濇脈は細く遅い脈で虚症や瘀血などで生じる脈です。
主訴は眼精疲労と記載されていますね。目と関わりが深いのは肝ですね。
上記をまとめると血虚の要素が強く、主訴から肝と関係がある感じがしますね。次に選択肢を確認しましょう。
選択肢の解説
腎が関係しているような記載はありませんでした。
脾が関係しているような記載はありませんでした。
ちなみに統血作用は血を漏れ出ないようにする作用です。不正性器出血など血が病的に漏れ出ているような表現があれば脾の関与を疑いましょう。また、血を貯蔵する蔵血作用(肝の作用)と混合しないように注意しましょう。
血虚とあるので適切と考えられそうですが、心の関与がありそうな記載がないですね。動悸がするや少し動いただけで息切れを起こす、精神が不安定、不眠などの症状があれば心の関与がありそうですね。
これが適切ですね。筋が原因の症状や主訴が目の症状など肝が関与する可能性が高い記載が多かったですね。
これらより導き出される解答
上記より答えは「肝血虚」
まとめ
今回は問題文をしっかりと読み、選択肢を確認すればそこまで難しい問題ではありませんでしたね。ケアレスミスをしないようにしっかりと五臓それぞれの東洋医学的な特徴をつかみ点数を取りましょう。
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