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【臨各】30回鍼灸国試解説【問90】

目次

まずは問題を解いてみよう

第30回 鍼灸国家試験 問題90

問題90

「55 歳の男性。強度近視。夕方デスクワーク中、右眼で黒く動く小さな糸くず状のものが見えた。」次第に症状は悪化し、右眼で下から上へ視野欠損も生じてきた。考えられ る疾患はどれか。

解説

この問題の意図

眼科疾患について理解しているか
問89との連番問題です。その解説もチェックしてみて下さい!

様々な眼科疾患について

まず、選択肢にある眼科疾患について復習しておきましょう。

特に太字の部分は、今回の問題にある「視野欠損」というキーワードに該当する箇所を表しているので確認しておきましょう〜!

緑内障

何らかの原因で眼房水が排出できなくなり、眼圧が異常に高くなった結果、視神経が障害されて生じる

原因:生まれつきの目の構造によるもの、目のけがや糖尿病性網膜症・白内障などの疾患によるものなど。

症状:視野欠損、視野狭窄など。

【初期】視野の中心部を避け、視野の端などから欠け始める

【中期】視野の中心上部に視野欠損が広がり、視力の低下が見られる。

【後期】視野の中心付近も見えない部分が広がり、日常生活に支障が出てくる。

白内障

水晶体の細胞内に含まれているタンパク質の酸化やタンパク質の代謝異常で、レンズの役割をはたす水晶体が白く濁る。

原因:加齢、外的要因(紫外線、放射線、熱、衝撃、薬)、眼の疾患に併発するもの(糖尿病、アトピー、ぶどう膜炎、網膜色素変性症)

症状:視界の全体的なかすみ、視野欠損、光がまぶしく感じるなど。

【初期】水晶体の外側が濁りはじめ、自覚症状はほぼない。

【中期】水晶体中央が濁りはじめ、視界のかすみや眩しさを感じる。

【成熟期】水晶体全体が濁り始めてくる。視界のかすみ、眩しさだけでなく視力低下が見られることも。

【過熟期】水晶体全体が白く濁るだけでなく、水晶体自体が硬くなり始める。濁りの色は白→茶色に変化。失明リスクが高くなる。

網膜剥離

網膜が何らかの原因により、眼球壁側から剥離すること。網膜に裂け目が生じ(網膜裂孔)、この裂け目から水分が入り込むことで最終的に網膜が剥がれる。

原因:加齢、糖尿病性網膜症、事故による外傷など

症状:視野欠損、視力低下、飛蚊症など

剥離部分に対応する視野が欠損する(例. 下の網膜剥離で上方の視野欠損が生じる)。

網膜色素変性症

網膜の視細胞や色素上皮細胞が変性する遺伝性、進行性の疾患。

原因:遺伝子変異など

症状:両眼性の夜盲(暗いところで物が見えにくい)、視野狭窄、視力低下など。

眼の構造

選択肢の解説

緑内障

緑内障は、視野の端から中央部にかけて段々と視野欠損が生じる。問題文にあるような視野欠損と合わないので、誤り。

白内障

水晶体が濁ることで、視界全体のかすみや視野欠損を生じるが、問題文にあるような視野欠損と合わないので、誤り。

網膜色素変性症

視野狭窄などを生じることがあるが、問題文にあるような視野欠損と合わないので、誤り。

網膜剥離

網膜が剥がれ、その剥がれた部分に相当する視野欠損が生じる。

右眼で下から上へ視野欠損も生じてきた」という問題文から、上から下に網膜剥離が生じた結果生じる視野欠損であると推測できる。よって、これが正解。

これらより導き出される解答

上記より答えは「網膜剥離

まとめ

今回は、特徴的な視野欠損の様子を問題文から読み取れるかがポイントでした。眼科疾患は、消化器疾患などに比べると中々見落としがちな領域ですよね。ここで国試問題を解きながら、疾患についてだけでなく眼の構造という解剖学的な内容についても合わせて覚えてしまいましょう!

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