不合格体験から考える国試
年に1度しかない鍼灸国家試験。現役で合格を逃すと、その後の既卒者合格率はガクッと下がることは有名です。
そんな国家試験で不合格を経験するも、諦めずに合格をつかみ取った経験を持つ鍼灸師にインタビューをするのが本企画です。
『なぜ当時の自分は落ちたのか』
学生生活から勉強法等を振り返りつつ、これから国家試験を控える学生へのメッセージとして語っていただきました。
本コンテンツに関しまして、本人に説明・同意を得た上でインタビューさせて頂き、内容を承諾頂いた上で掲載しております。
また一部インタビュー内容で本人が特定される等プライバシー事項・不利益被る内容に関しては一部改変・修正を行った上で記載しております。
いずれに関しましても掲載前に本人に確認頂き問題がないことを確認した上で公開しております。
また本コンテンツにつきまして突然の公開停止等を行う場合が御座いますので予めご了承ください。
プロフィール
今回インタビューさせて頂いた、ブシュラ先生の略歴は以下になります。
鍼灸大学卒業のはり師・きゅう師、24歳。現役学生として国家試験受験するも不合格。
その後2019年2月に行われた鍼灸国家試験にて無事合格。鍼灸師としてのキャリアは半年。
現在は関東近郊にグループ展開する鍼灸接骨院に勤務されている。
学生時代のお話し

初めまして、今日は宜しくお願い致します。

こちらこそ宜しくお願い致します。

緊張せずリラックスした感じでフランクにお話しいただければと思います。笑
では早速お話しお伺いさせて頂きます。学生時代はどんな学生でしたか?

自由気ままな感じでした。

バイトとかしてましたか?

大学生になってからバイトをはじめました。
最初はスポーツジムのインストラクターとして勤めつつ、途中からはコンビニのアルバイトも掛け持ちをしてました。

そのバイトを選んだ理由は何かありますか?

純粋に試験前、勉強の時に休む訳ですけど、スポーツジムでは代行(自分の休みを代わりに立てること)を探すのが大変でした。
一方でコンビニは代行を探さなくて良かったので、スポーツジムのシフトを減らしてコンビニを掛け持ちすることで調整していました。

いつまでバイトを続けていましたか?

コンビニのアルバイトは最初の国家試験を受ける時まで、スポーツジムは2度目の国家試験を受けるとこまで続けていました。

ちなみにスポーツジムを選んだ理由とかはありますか?

昔スイミングに通っていて、思い出もあるし、顔見知りの人もいたりするからです。

今やってる鍼灸と関係があるからとかではない?笑

と言うわけではないですね。

てっきり体の構造や機能の勉強になるので、鍼灸と関係があるからスポーツジムなのかと。笑
学生時代は鍼灸に対して何か興味があった科目とかあったりしますか?

東洋医学ですね。
考え方とか、当時では考えられない、思いつかないようなやり方で治療ができることに関心を持ちました。

その関心はいつまで続きましたか?
今も続いてます?笑

いや、最初に勉強をしたその時だけですね。笑

あー。笑
途中から他に興味を持ち出したしたことはありましたか?

特にないです。笑
1年目の国家試験について

最初の国家試験受けるまでのモチベーションを教えてください。

当時は正直、鍼灸師になろうか迷ってました。
”惰性”じゃないですけど、上位学年まで来ていたから、国家資格は取りたいなとは思っていました。

じゃあ鍼灸師として就職するかは考えてなかった?

そうですね。

就職のことを考え出したのはいつですか?

3年生後半ですかね。でも就職活動をしようとも考えてなかった。
国家試験受かってから考えればいいやと思っていました。

とりあえず国家試験がゴールだったんですね。
ちなみに鍼灸師と悩んでいた職業はあるんですか?

それがないんですよね。笑
鍼灸師じゃなかったら何があるのっていう感じでした!
なので特に鍼灸以外でやりたいものがあったというわけでもないです。

結構、冷めた学生ですかね?

入る前とかすごい興味があったんですけど、いざ勉強しようという風になると結構頭に入ってきづらくなったりとか…。

鍼灸師になろうというモチベーションがなくなってしまった理由っていうのは何かあるんですか?

だんだん理由もなく冷めていく感じ…。

鍼灸を嫌いになったんですか?

そうではないです。
嫌いじゃないんだけど興味が薄れていった。

全く興味が無い状態までいきました?

全く興味がない状態までは行ってないです。

繋ぎ止めてたものがあれば教えて下さい。

学校に入ったっていうことですかね。
養成機関に入ったということが最後まで目標を達成しようということに気持ちに繋がっていました。
いままでの勉強方法について

中学・高校生での勉強法と大学での勉強法って同じでしたか?

同じではないですね。

中学・高校の勉強法はどういう方法でしたか?

その時もほとんど先生がここ重要って言ったことがよく出るノートを書いて重要な所だけをテスト前に見返すしたり暗記していたりしました。

大学1年生から4年生までを振り返って勉強の量や方法を教えて下さい。

基本的には授業中に聞くっていうのがベストだったんですけど、眠い時に寝たりって感じで飛び飛びでした。
さすがに1年生の時からだんだん勉強の量は増えていきましたけど、それでも1年目に受かった人達に比べたら少なかったのかと思います。
勉強方法の最悪は、授業中に配られたプリントだけを目を通して丸暗記していました。
大事だよって言われたプリントの単語を拾ってひたすら暗記していましたね。
試験対策で勉強するみたいな感じでした。

暗記科目と理解する科目どちらが得意でしたか?

暗記科目ですね。

興味がなくなることと勉強の量は何か関係はありますか?

比例しているような感じがします。

当時は国家試験受かると思ってましたか?

4年生の前半の前半までは今までの国家試験の内容だったら行けるんじゃないかなと思ってました。
後半以降、夏過ぎてからこれやばいかもなとは思っていました。

今までの難易度だったらというお話があったんですけど、その時の成績だと国家試験の合格ラインの位置にいたということですか?

4年生の最初のプレテストの時に一番下のレベルでした。
気休めじゃないですけど、周りからの「今から頑張れば行けるよ」の声でいけるのかなと思っていました。

これまでの学年での成績はどうでしたか?

3年生はギリギリでしたね。
1、2年の時はそうでもなかったです。

自分の成績を悪くした要因はありますか?

寝たりとかゲームしたりとか、興味がなくなるとともに、自分の娯楽や好きなことに逃げて行きました。

国家試験が迫り、4年の夏過ぎヤバいと思って何か対策を始めましたか?

僕が始めたわけじゃないけど先生たちが対策みたいな経穴を全部言えるかとか、授業とは別に課題として与えられたました。

授業の他に補講みたいなのがあるんですか?

補講もあります。
それの他に、更に課題がある感じです。

国家試験に受かるか受からないかのギリギリの子達が集まる勉強会みたいな?

それもありました。笑

自主的に勉強を始めたわけではない?

そうですね。
周りが用意してくれる環境に参加していた感じですね。

国家試験に受かるために自分から何か積極的にしたことはありますか?

ないですね。

補講や課題以外のことを何もせず、国家試験本番を迎えたという事ですか?

そうなりますね。

例えば年末年始とか学校がない期間とか基本的に勉強してなかったんですか?

一応してはいたんですけど、補講のグループでそれぞれ課題みたいなのが出されてました。
それを1日終わる毎に一回一回報告する事で年末年始はなんとか勉強する環境を作ってたという感じですね。

総じて、国家試験を受けるにあたり”個人”の勉強時間ってどれぐらいでしたか?

1時間もないぐらいですかね。
午後から学校きて授業やって補講があったりなかったり。
その後22時過ぎぐらいまで学校で勉強して、家に帰ってすぐ寝るっていう感じでした。

午前中は勉強しないんですか?

基本的にはしないですね。

実際に国家試験当日を迎えて受かると思ってましたか?

半々ですかね。
受かればラッキーな感じですかね。

国家試験当日を終えてどうでしたか?

終わって落ちたなって感じですね。

それは明らかに落ちている実感があったんですか?

そうですね。
不得意な科目で取れなかったです。

不得意な科目とは?

生理学と経穴でした。

反対に得意な科目はありましたか?

東洋医学概論だけですかね。
臨床論は各論とかも混ざってくるのでそこまで得意とかいうわけではないです。

臨床系科目の医学各論とかは苦手だったんですか?

そうですね。
1度目の国家試験を終えて

国家試験の最終結果はどうでしたか?

5割8部ぐらいですかね。

結果を受けて自分に何が足りなかったかとか気が付いたりしたんですか?

明らかに勉強量が足りないと気づきました。
サボり続けてきたツケが回ってきたのかなという風に思いますね。

サボり続けてきたツケが回ってきたというのは、落ちて初めて感じたことですか?

そうではないですね。
薄々は気付いていて4年生の後半から少しでもやっておくべきだったかなと思っていました。

それでもやろうとしなかったのはなぜだと思いますか?

自分からやろうっていう積極性がなかったんですよね。

落ちたという結果を受けて、来年も受験するかは一度考えたんですか?

はいそうです。
そこで考えました。

同じ学年の周りの子達、仲良かった子達も含めてみんな合格している中で、少なからず自分は落ちた。
その時の気持ちってどうだったんですか?

結構点数がギリギリで1、2点足りるかっていうラインで、自分はもう点数の変動はないと思っていた。
けど周りのみんなは1、2点ぐらいならあるよ行けるよっていう感じで励ましはありました。

正直落ちた時点で再受験は考えてなかったんですか?

その時は半々でした。
もう1年勉強するのも嫌だなと思っていたんですよ。

一方の受けたい理由は何ですか?

受けたいと思った理由は、大学卒業だけで就ける職ってどれぐらいあるんだろうって考えて。
大学卒業だけで資格持ってないってなると、当然他の人たちが持ってる資格も持ってないわけですから、それを考えるともう1回受けてとったほうがいいのかなという考えになりました。
さらに今年受けなかったら、次からもっと難しくなるという話を受けてだったらもう一年頑張ってみようかなという風に思いました。
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