
まずは問題を解いてみよう。
解説
この問題の意図
・褐色細胞腫により過剰に分泌されるホルモンを覚えているか
・褐色細胞腫により過剰分泌されるホルモンの生理機能を理解しているか
選択肢の解説
内分泌疾患の章から褐色細胞腫に関する問題です。
内分泌に関連する臨床問題では、何のホルモンが多くなったり、少なくなったりするのか。
そのホルモンにはどんな生理作用があるのかを覚えている必要があります。
この問題は臨床問題の中でも比較的簡単で、褐色細胞腫により生じる症状を丸暗記していればすぐに解けますが、
丸暗記は大変なうえに、応用が利かないので、褐色細胞腫がどのような病気で、なぜその症状が起こるのかをしっかりと理解しましょう!
まず、褐色細胞腫では副腎髄質などのクロム親和性組織から腫瘍が発生し、カテコールアミンが過剰に分泌されます。
過剰に分泌されるカテコールアミンは生理学で勉強したように、交感神経の神経伝達物質です。
つまり、腫瘍ができて過剰に分泌されることで交感神経が興奮します。
交感神経が興奮した結果、
1.高血圧
2.頭痛
3.発汗
4.高血糖
5.代謝亢進
6.頻脈
などの多彩な症状が起こります。
また、交感神経が興奮して血管が収縮することにより局所の血流量が低下して、顔面蒼白や四肢の冷感なども起こります。
これらの症状全ては、交感神経の働きが理解できていれば楽に覚えられるはずです。
病気の症状を聞いている臨床問題ですが、カテコールアミンの生理作用など、基礎医学の知識が問われています。
これらを踏まえて問題を解いてみると、
選択肢の1~3は上記の代表的な症状に含まれています。
選択肢4の血糖については、
代謝が上昇し、肝臓からの糖分泌が促進されるため、高血糖となります。
なので、選択肢4の低血糖が褐色細胞腫ではみられない症状になります。
これらより導き出される解答
解答:4.低血糖
まとめ
症状を丸暗記するのでなく、解剖・生理学などの医学知識を基にして論理的に理解しましょう!
褐色細胞腫については、次の2点は必ずおさえておきましょう。
・副腎髄質などで生じる褐色細胞腫では、カテコールアミンが過剰に分泌される。
・カテコールアミンにより交感神経が興奮し、多彩な症状を呈する。
その他
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