
まずは問題を解いてみよう。
解説
この問題の意図
理学検査とそれが陽性となる疾患を覚えているか。
その疾患が痛みを生じる局所にある経穴を覚えているか。
選択肢の解説
徒手検査と治療経穴の組合せを答える問題です。
まず選択肢の徒手検査が陽性となった場合に、疑われる疾患をしっかり覚えているかを一つずつ復習していきましょう。
- チェアテスト陽性:上腕骨外側上顆炎
- インピンジメントテスト陽性:肩関節腱板炎
- ヤーガソンテスト陽性:上腕二頭筋長頭腱炎
- アイヒホッフテスト陽性:手首腱鞘炎
ここまでを答えられるのはこの問題の第一段階です。
次に、この四つの疾患が身体のどこのあたりで生じて、そこにある経穴が何なのかを見ていきましょう。
- 上腕骨外側上顆炎:上腕骨外側上顆から起始する長・短橈側手根伸筋上にある手三里や曲池などが治療経穴になります。
- 肩関節腱板炎:肩峰や上腕骨頭付近にある肩ぐうや巨骨が治療穴になります。
- 上腕二頭筋長頭腱炎:上腕二頭筋長頭腱が通過する結節間溝には経穴が存在しませんが、厥陰心包経の天泉などが上腕二頭筋長頭と短頭の間にあり、この経穴などが治療点になります。
- 腱鞘炎:手関節での腱鞘炎は長母指伸筋腱や短母指伸筋腱などで生じます。この腱上になる経穴は陽谿です。
これらの知識を組み合わせると、選択肢4のアイヒホッフテスト陽性で腱鞘炎が疑われ、その治療経穴として陽谿を用います。
近年の国家試験では、理学検査を単純に覚えているだけでは答えられずに、経穴などとの関係性も一緒に覚えていないと解けない問題が増えています。
ですので、今回の問題などのように、理学検査の陽性となる疾患とその治療に用いる経穴を一緒に覚えていきましょう。
これらより導き出される解答
解答:アイヒホッフテスト陽性-陽谿
まとめ
理学検査の陽性所見や疑われる疾患を覚えるだけでなく、治療に用いる経穴をセットで覚えておきましょう。
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