【臨総】29回鍼灸国試解説【問49】

まずは問題を解いてみよう。

生後 3 か月の女児が乳児健康診査で股関節開排制限を指摘された。診察で 誤っているのはどれか。
第29回 鍼灸国家試験 問題49
以下、問題の解説です。
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解説

この問題の意図

発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)について問う問題

発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)

疫学

外傷や感染とは関係なく、先天的に大腿骨頭が寛骨臼から脱臼している状態のことです。
①発生頻度は0.1~0.25%程度と低く、男女比は1:9と女児に多い。
②発生頻度に人種差が存在し、北イタリア地方 スカンジナビア半島のラップランド地方 アメリカ先住民 日本人に多く、中国人 イヌイットには少ない。
③理由は不明であるが、12月~4月頃(12月, 1月, 2月, 3月, 4月)の出生時に多い。
④骨盤位、殿位分娩など分娩時の異常胎位に発生率が高い。

症状

<新生児期>
仰向けに寝かせた際に股関節が内転内旋位になる。また、屈曲外転時に軽いクリック音が生じる。

<乳児期>
①新生児期と同様に仰向けに寝かせた際に股関節が内転内旋位になる。
②仰向けにして、膝・股関節屈曲をした際に患側の膝の高さが低い(アリス徴候陽性)。
大腿皮膚溝が左右非対称であり、患側では数が多く、深く、長い。
④大腿三角(スカルパ三角)の大腿鼠径部にあるべき大腿骨頭が触れられない。
処女歩行の遅延 ※通常では10~12か月で歩き始めるそう。
⑥歩行異常:トレンデレンブルグ徴候や跛行が生じる。

治療

<新生児期> フォン・ローゼン装具

<乳児期> リーメンビューゲル装具療法 頭上方向牽引療法 ローレンツ・ギプス固定法

選択肢の解説

大腿部の皮膚のしわを観察する

大腿皮膚溝が左右非対称であることから大腿部の皮膚のしわを観察することは適切でしょう。

開排位での大転子と坐骨結節間の距離を診る。

股関節が脱臼した場合では大腿骨と坐骨の距離が延びることが想定できます。ですので、大腿骨の大転子と坐骨の坐骨結節の距離を診ることは適切でしょう。

超音波断層像を診る。

レントゲンでは軟骨が映らないため、軽度の脱臼を見逃しがちです。さらに被曝も避けられません。それをクリアできるのが超音波診断装置となります。超音波では軟骨も描出でき、被曝の恐れもありませんので安全かつ素早く診断することが可能です。

ラックマン徴候を診る。

ラックマンテストは膝の前十字靭帯に病態があるのかを検査するものです。今回は股関節に病態があるのか判断が必要なので適切ではないでしょう。

これらより導き出される解答

上記より答えは「ラックマン徴候を診る。

まとめ

今回は、鍼灸臨床で遭遇する機会は少なそうな発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)について問われた問題でした。以前の国家試験から頻繁に出会う疾患ですので把握しておきましょう。

その他

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