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【きゅう理】28回鍼灸国試解説【問158】

目次

まずは問題を解いてみよう。

第28回 鍼灸国家試験 問題158

問題158

施灸局所の肥満細胞から放出される血管透過性亢進物質はどれか。

解説

この問題の意図

施灸をした際の各種細胞の反応について理解しているかを問うている。

お灸をすると肥満細胞から…

本問題は灸を据えた際に、その据えた局所に起こる細胞の反応に関しての問題です。

お灸をすることで、まずマスト細胞とも呼ばれる肥満細胞からヒスタミンという物質が放出されます。この肥満細胞は炎症が発生した時や免疫反応などに関係する細胞です。ですので、お灸をする事により、局所に炎症反応が起こり、その結果として肥満細胞の中に蓄えられていたヒスタミンが放出されます。

このヒスタミンは末梢血管の透過性を亢進させる働きがあります。この働きは、血管内から間質液へ水分を移動させる機能のことであり、この結果、身体には浮腫とし変化が起こります。
こうした、炎症により肥満細胞からヒスタミンが放出され、その結果血管透過性が上がり、むくみが起こる、という一連の流れについては、病理学や生理学で勉強しているはずです。

こうした医学の知識とともに、お灸をする事で局所に炎症反応が起こるという鍼灸理論の知識を掛け合わせれば、肥満細胞からヒスタミンが放出されるということが導き出せると思います。

おまけ

ちなみに、肥満細胞という名前をしている為、太り過ぎの肥満に関係しているのでは?と思う人がいるかも知れませんが、関係ありません。
では、何故肥満細胞と呼ばれているのかというと、細胞の形が膨れており、太っている肥満を彷彿させることから、この様に呼ばれる様になったみたいです。

これらより導き出される解答

上記より答えは「ヒスタミン

まとめ

お灸を据えることで、その局所に炎症反応が生じる。
炎症反応により肥満細胞からヒスタミンが放出される。

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