
Contents
まずは問題を解いてみよう。
解説
この問題の出題者の意図
客観的な所見から疾患を想定できるか。
想定した疾患に対する理解。
予想される疾患について
本問題においてまず注目したいワードは「空腹時血糖、HbA1c」である。
検査項目がどのような疾患に対して使用されているかを知っていると、疾患を予想する際に重要なの検討材料になる。
これら2つの検査項目「空腹時血糖・HbA1c」はいずれも糖尿病を疑う際に行われる検査項目である。
数値に関しては一度無視してもらって構わない。
次に糖尿病と仮定した際に、糖尿病に合わられる所見と照らし合わせる作業が必要となる。
「体重減少・口渇」は糖尿病の典型的な所見である事、「下肢の感覚鈍麻」に関しても糖尿病神経障害の一つとして引き起こされていることが予想される。
これらの事から本問題で問われている疾患は糖尿病であることが予想できる。
今回の場合は疾患の検査内容から糖尿病を予想し、問題文の所見を照らし合わせる事で糖尿病を仮定する事が出来た。
検査項目と正常値が理解できているとこのような問題においては即時に疾患を仮定できるため、時間の面でも有利に働くであろう。
余裕があれば覚えておくのも悪くはないが、それ以上に疾患を理解する方が優先だろう。
仮定疾患について
上記より糖尿病であることが仮定出来た上で問題をまとめると、
「糖尿病において引き起こされる神経学的所見で正しいのはどれか。」
と言い換えることが出来るだろう。
要するに、この問題では糖尿病3大合併症でもある、神経障害について問いたい問題なのである。
- 神経障害
- 網膜症
- 腎症
糖尿病神経障害によって引き起こされる感覚神経障害は両側性に起こり、振動覚の低下や感覚鈍麻を引き起こす。
また末梢神経であることから、腱反射は低下する。
自律神経障害を引き起こした場合は発汗異常が認められたりする事がある。
これらより導き出される解答
上記より答えは「発汗異常を認める。」
+αここに注目!
検査値の正常値について
空腹時血糖では110 mg/dl 以下が正常値とされている。
HbA1c では6.5%以下とされている。
まとめ
問題文に記載されている症状の所見と検査項目から疾患を予想したのち、その疾患について問われる問題。
鍼灸の国家試験におけるこのような問題形式は、疾患を代表するような特徴的なワードが文章内に含まれているので見落とさないようにし、自身をもって疾患を仮定して問題を解答したい。
その他
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参考・出典
小川聡他,2013,内科学書改定第8版,中山書店
糖尿病ネットワークHP 2019.9/12 アクセス
公益財団法人 東京都医学総合研究所HP 2019.9/12 アクセス