【臨各】24回鍼灸国試解説【問75】

はじめまして。鍼灸師ブロガーのてっちゃんです。

普段ボクは在宅鍼灸師向けの月額制マガジンHAMTを運営しています。
今回から、はりらぼさんの中で学生向けの国家試験解説をさせて頂くことになりました。
どうぞよろしくお願いいたします!

さっそくですが、皆さんは国家試験勉強をしている・してきた中で「勉強のための勉強」になってはいませんか。
実際、ボク自身も学生時代「勉強のための勉強」になってしまっていて、臨床現場に出たら忘れてしまったものがほとんどでした。

在宅現場は専門特化型とは異なり、総合的な臨床力が求められる分、国家試験の勉強を臨床にもめちゃくちゃ活かしやすい特徴があります。
今回は実際の国家試験問題を通じて、「臨床の面白さ」を知ってもらいたいと思います。

では、どんな分野を主に解説するかというと、「臨床総論・各論」は在宅現場でかなり活用できる分野だと思うのでそこを中心に解説してみます!

まずは問題を見てみましょう

次の文で示す症例について、下記の問題に答えよ。「48歳の女性。2年前、左手のこわばりがみられ、その後、近位指節間関節から始まる左指の関節痛と腫れが生じ、さらに右指の関節も痛み出した。現在では、両側の手・膝関節にも関節炎がみられる。光過敏や嚥下障害はない。」本疾患で陽性となるのはどれか。
第24回 鍼灸国家試験 問題75
以下、問題の解説です。
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解説

今回は症例検討形式です。

関節の痛みを問う問題は毎年必ず出題される重要なテーマの一つですので、しっかり理解しておきたいところです。

関節の痛みを問う問題で整理しておきたいポイントは3つあります。

関節の痛みで押さえておきたい3つのポイント

1.急性発症 or 慢性発症
2.関節"炎" or 関節"痛"
3.単関節炎 or 多関節炎

ここの整理をするだけでかなり疾患を絞っていくことができます。

今回の疾患を当てはめてみるとこんな感じになります。

・2年前から症状が出現             ⇨慢性発症
・痛み&腫れ両方あるが動作による関係性は低い⇨関節"炎"
・両指&手関節&膝関節の痛み        ⇨多関節炎

以上の結果から、今回の症例は「慢性多関節炎」であるということが分かりました。

ここから、どんな疾患を想起できるかが、国家試験を臨床に活かす上で極めて重要です。
だって、実際の臨床では教えてくれないんだから。byてつを

慢性多関節炎で思い浮かべて欲しい2つのポイント

「慢性多関節炎」となったら思い浮かべて欲しいのは、
結晶誘発性関節炎と膠原病、この2つです。

結晶誘発性関節炎とは
結晶によって誘発される関節炎で痛風と偽痛風があります。

膠原病とは
自己免疫疾患で、関節リウマチ・全身性エリテマトーデス・多発性筋炎・皮膚筋炎・強皮症などがあります。

ここまで思い浮かべることが出来れば、あとは各疾患の特徴さえ押さえておけばOK。

膠原病の一つ一つの特徴

関節リウマチ

全身の関節に炎症があり、最初は手足の対称性の腫れがみられ徐々に全身に波及してくる疾患です。リウマトイド因子が陽性となります。

全身性エリテマトーデス
全身の大きな関節の炎症があり、最も特徴的な所見に蝶形紅斑といわれる頬が赤くなる発疹で日光に対して過敏となるためにみられます。LE細胞が陽性となります。

多発性筋炎/皮膚筋炎
主に筋肉や皮膚に炎症の起きる疾患で、中心の筋肉が障害されやすく、嚥下筋が障害されると嚥下障害や構音障害も起きてきます。抗Jo-1抗体が陽性となります。

強皮症
全身の皮膚が硬くなる疾患で、皮膚のこわばりや腫れの他、レイノー症状と言われる手指が真っ白になる症状がみられます。抗トポイソメラーゼⅠ抗体(抗Scl-70抗体)が陽性となります。

問題文には「光過敏や嚥下障害はない」とあることから、全身性エリテマトーデスや多発筋炎/皮膚筋炎は除外されました。

さらに今回の問題で重要キーワード!
それは「近位指節間関節」の痛みであるという点です。

【手指の関節痛から考えられること】
遠位指節間関節(DIP関節):へバーデン結節、乾癬性関節炎
近位指節間関節(PIP関節):ブシャール結節、関節リウマチ
中手指節間関節(MP関節):関節リウマチ、痛風

今回は、近位指節間関節(PIP関節)の痛みであり、ブシャール結節と関節リウマチが疑われる事が分かりました。

今回、複数の関節に痛みを伴っていることから関節リウマチの可能性がさらに強固なものとなっていきました。

これらより導き出される解答

上記より答えは「リウマトイド因子」となります。

まとめ

今回の問題は、学校で教わる縦割りの知識を横に広げていく実践力が問われる問題でしたね。国家試験を試験のための勉強で終わるのではなく、より臨床に即した流れで理解していくと、ただの暗記ではなくロジカルシンキングを鍛えることができるのでオススメの勉強法です。

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